今、静かなブームの「7枚合板」。注目を集める『ファルクW7』の性能とは?
2025年04月22日

近年、トップ選手の使うラケットは特殊素材を使用したものが主流となっている。その影響で初・中級レベルの選手でも、特殊素材ラケットを手に取る人は少なくない。
その一方で近年、各メーカーからリリースが相次いでいるのが、木材のみで作られた「7枚合板」のラケットだ。最大の特徴は高いコントロール性能。特殊素材に負けない弾みを備えながら、木材ならではの繊細なフィーリングが攻守の安定性をもたらす。
今年3月、ヤサカから特殊素材モデルの『ファルクカーボン』と同時に発売された『ファルクW7』も、静かなるブームとなっている7枚合板のラケットだ。ヤサカの矢尾板駿社長は、「ファルク本人が使用する『ファルクカーボン』はやや中上級者向けのラケット。より幅広い選手に扱えるモデルとして7枚合板バージョンも発売しました」と語る。
「『ファルクW7』は厚めの中芯を薄い染色材で挟むという、特殊素材ラケットに近い合板構成で、弾きが良く反発力を出しやすいのが特徴です。
ファルクの名を冠しているだけあって表ソフトとの相性も良いですが、高い反発力を備えながら安定性にも優れているので、幅広いレベルで使えるラケットです。5枚合板からステップアップしたい選手や、弾きの良い7枚合板を求めている選手、また特殊素材ラケットを使っているけれどより安定性がほしい選手にはぜひ試していただきたいですね」(矢尾板社長)
また、『ファルクW7』も『ファルクカーボン』と同様、2019年世界選手権・男子シングルス準優勝のマティアス・ファルク(スウェーデン)が自ら開発に携わったラケットだ。『ファルクカーボン』の性能について、「スピードとコントロールの完璧なバランス」と太鼓判を押すファルクだが、『ファルクW7』についても「ラケットにより安定性を求める選手には、『W7』のブレードがピッタリですね」と語っている。

まず『ファルクW7』にラバーを貼らない状態でボールをついみると、他の7枚合板に比べて明らかに高く、澄んだ音色を奏でる。「特殊素材が入っているのでは?」と感じるほどの弾みだ。実際にラバーを貼って打ってみても、弾き出されるボールは想像以上に直線的に飛び、非常にパワフル。中陣からのドライブでもスピードが落ちず、特殊素材ラケットと比べても全く遜色(そんしょく)ない。
一方で、台上プレーやブロックなどの守備では、球離れの早さの中にも木材ならではの弧線の安定感がある。最近は威力とコントロールを兼ね備えたモデルとして、特殊素材を中芯の隣に配置する「インナー」モデルが人気を集めているが、この『ファルクW7』は芯の部分に木材ラケットの良さを残しながら、スピードを追求した個性が光る一本だ。
最も幅広いレベルのユーザーにフィットする、7枚合板の魅力。「今のラケットは一発の威力は出るけれど、どうもミスが多くて試合で勝てない」と感じているユーザーなら、『ファルクW7』を試してみる価値はある。スウェーデンの優れた木工技術が生み出したこのラケットは、決して期待を裏切らないだろう。

ファルクW7
●¥8,800(税込)
●木材7枚
●グリップ:FL・ST
●板厚:6.4mm
●重量:85g±