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名作の予感。北欧の英雄が『ファルクカーボン』に求めた性能とは?

2025年04月11日

自ら開発に携わった『ファルクカーボン』で、世界卓球のファイナリストになった

 マティアス・ファルク。ヨーロッパのトップ選手では極めて珍しい、フォア面に表ソフトを貼る右シェーク異質攻撃型。191cmの長身から放つ、強烈なフォアスマッシュと、回転量が多くコースの読みにくいバックドライブで得点を重ねる。

 彼の育ったスウェーデンの名門クラブ『リッキビー』には、表ソフトや粒高、アンチラバーを選手に使わせることで有名なハンス・タリンというコーチがいた。彼の薦めもあり、ファルクは13歳の時に両面裏ソフトからフォア面を表ソフトに変更。唯一無二のプレースタイルを築き上げてきた。

 2019年の世界選手権(個人戦)ブダペスト大会では、強豪を連破して決勝に進出。決勝で馬龍(中国)に敗れたものの、世界の卓球界に大きなインパクトを残した。その時に彼の手に握られていたラケットが、今年3月にヤサカから発売された『ファルクカーボン』。ファルク自らが開発に携わり、生まれたラケットだ。

 「『ファルクカーボン』は私にとって最適なブレードです。スピードとコントロールの完璧なバランスを兼ね備えていて、私を多くの勝利に導いてくれました。2019年の世界選手権ではシングルス銀メダル、そして2021年の世界選手権ではダブルスで金メダルを獲得することができたのです」(ファルク)

自ら開発に携わり、自らの使用モデルを完成させたマティアス・ファルク

PAカーボンをインナーに配置し、しなやかで強靭なブレードを実現

 かつてはヤサカの『馬琳ソフトカーボン』を愛用していたファルク。コントロール性能が高く、表ソフトとの相性が良いことが選択の理由だったが、飛距離と回転量の落ちるプラスチックボール時代を迎え、ラケットに威力の向上を求めた。ただし、フォア面に表ソフトを貼る彼のスタイルは、常に威力と安定性のバランスが要求される。

 威力と安定性という、相反する要素。その難題を解決したのが、特殊素材としては柔らかめの打球感でありながら反発力が高く、飛距離が出る『PAカーボン』。インナー(中芯の隣)に配置し、板厚は5.9mmとやや薄めに仕上げて、しなやかで強靭なブレードが誕生した。ファルクがフォア面に使用する表ソフト『ラクザPO』はドライブからスマッシュへの連続攻撃を可能にし、バック面の『ラクザX』は強烈な回転のドライブで相手を翻弄する。

 スウェーデンの卓越した木工技術と、日本製のPAカーボンの「コラボレーション」によって生まれた『ファルクカーボン』。フォア面やバック面に表ソフトを使う異質型の選手はもちろん、前・中陣を主体にプレーするドライブ型の選手にも最適。ラケット・ラバーともにロングセラーが多いヤサカだが、早くも名作の予感が漂う1本となっている。

ファルクカーボン
●¥19,800(税込)
●木材5枚+PAカーボン2枚
●グリップ:FL・ST
●板厚:5.9mm
●重量:87g±

マティアス・ファルク Mattias Falck
●1991年9月7日生まれ、スウェーデン・カールスクローナ出身。旧姓:カールソン。国内ユース選手権では、ワルドナー、パーソンに続く3人目の快挙となる3連覇を達成。2018年世界卓球団体戦で銅メダル、2019年世界卓球では決勝に進出して銀メダルを獲得。2021年世界卓球ではクリスチャン・カールソンとのペアで男子ダブルス金メダルに輝いた。ヤサカ契約選手