英田理志、全日本男子複で準優勝。「公立校出身のぼくが32歳で表彰台に立てた。同じような境遇の選手に勇気を与えたい」
2026年02月03日
1月29日から2月1日まで、愛知・スカイホール豊田で行われた『全農杯 2026年全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)』。2025年全日本社会人選手権の男子ダブルス優勝ペア、英田理志/松下大星(日の出医療福祉グループ)が準優勝という好成績を残した。
スーパーシードとして4回戦から登場し、高校生ペアを連破してベスト8進出。準々決勝では強豪ペアの松平賢二/宮川昌大(協和キリン)をストレートで完封した英田/松下。準決勝では鈴木颯/萩原啓至(愛知工業大)にゲームカウント1ー2とリードされ、最終ゲームも0-4でのスタートという苦しい展開ながら逆転勝ちを収めた。
英田/松下ペアのプレーは、極めてユニークなものだ。右ペンドライブ型の松下とペアを組む英田は、カットと攻撃を織り交ぜるオールラウンダーだが、ダブルスではほぼ攻撃型としてプレーする。
英田はレシーブではコースを突くチキータで相手の3球目攻撃を封じ、チャンスボールを引き出して松下が鋭いカウンターを決める。そして松下のサービスからの3球目は、両ハンドで確実に狙い打っていく。

一方で、ラリーで時折見せるバックカットや、変化のわかりにくいツッツキは英田ならではの技術。相手ペアは思い切って狙い打つことができず、ミスを重ねる。変化の激しいバックサービスも大きな武器だ。

迎えた決勝の相手は、全日本選手権のシングルスで準優勝の篠塚大登と、3位の谷垣佑真のペア。序盤から好プレーを連発した英田/松下だが、地元での優勝に燃える篠塚/谷垣の攻撃にミスがなく、ストレートで敗れた。英田は決勝後、「ラリー戦になった時に相手ペアが盤石だった。自分がもう少しカットを入れたりすれば、違った展開になったかもしれない。サービス・レシーブからももっと違うパターンを作っていきたい」と語った。
「決勝ということは意識せずにプレーできて、それは自分の中でも意外だった。もう少し緊張するかなと思っていたけど、平常心で戦えたかなと思います。
ぼくたちのペアはまだ組んで1年も経っていない。サービス・レシーブやラリーでの展開では、もっと挑戦していきながら強くなれるように頑張りたい。自分たちのプレーは強いペアにも通用していたし、手応えもあったけれど、もっと力をつけていきたい」(英田)

今年3月で33歳という年齢を迎える英田。しかし、「若い時よりもむしろ体は動く」と言う。豊富なトレーニング量に加え、プレーの連係や「動き方」の質も上がっているからだ。カットや攻撃の技術力も向上し、「あとはどう戦術を立てるかということ。精神面でもっと余裕を持って、相手を見ながらプレーできるようになりたい」と自らの伸びしろを語る。
「ぼくは特に遅咲きですし、高校3年で初めて全国大会に出たような選手。今回の全日本で表彰台に立った選手の中で、公立校(藤枝市立青島中→島田商業高)出身もぼくひとりだけ。そんなぼくが32歳で初めて表彰台に立てたことで、同じような境遇の選手にも『頑張って続けていれば』という希望を持ってもらいたい。周りの方に支えていただいていることに感謝しながら、まだまだ頑張っていきたいと思います」(英田)
全日本選手権の男子シングルスでは2年連続で張本智和(トヨタ自動車)と対戦。1ー4で敗れたが、対戦した張本に「本当に素晴らしい卓球をする選手で、ヤマ場だと思っていた」と言わしめた。公立校で日々コツコツと努力を重ねる選手に、「オレでもやれる」「私でもやれる」という勇気を与えられるよう、英田理志はさらなる成長を誓う。

★英田理志/松下大星 男子ダブルス決勝進出の軌跡
●4回戦 15ー13、11ー9、4ー11、11ー6 森駿登/浅見昂希(希望が丘高)
●5回戦 11-6、11-7、6-11、11-6 渡邉崚/池田皓翔(専大北上高)
●準々決勝 11-4、11-9、11-6 松平賢二/宮川昌大(協和キリン)
●準決勝 11-8、4-11、6-11、11-6、11-9 鈴木颯/萩原啓至(愛知工業大)
●決勝 4-11、7-11、7-11 篠塚大登/谷垣佑真(愛知工業大)
■英田理志・使用用具
ラケット:正宗(ST)
ラバー:フォア面/ラクザZ エクストラハード
バック面/ラクザZ



